関係性で商売をしているから
これに尽きるんですよね。
商社ってモノを作ってませんから、どこかから仕入れてきます。
メーカーか、そのメーカーに強い商社から仕入れているというパターンがほとんどです。
メーカーも上位の商社も、中間搾取している商社相手だとエンドユーザー以上に人を見て商売しています。
「コイツには高く売っても問題ないな」
「納期、サバ読んでも大丈夫か」
「他のユーザーから納期短縮の依頼があったから後回しにするか」
仕入先から舐められ、うまいことあしらわれるのです。
ベテランの営業から新人に変わった途端にライバル商社に商権が移ることが少なくありません。
しかも同じ仕入先で起こることが珍しくありません。
新人からすると、マニュアル通りにメーカーから見積をとって、受注後の納期確認して、メーカーからの単価を元にしてクライアントに見積回答して新人には落ち度はないんですよね。
真面目な新人がすぐにクライアントに見積回答をしているがために、その見積金額を仲のいいクライアントの担当者から聞き出して、若干値段を下げて見積を出してたりするわけです。
もっとひどいと後から見積金額を一緒にするからウチに発注してよ、というここでも関係性で仕事を取られてしまうのです。
大手のクライアントであればあるほど関係性が強くなるケースが多いです。
接待交際費もおりやすいですし、長年付き合っているところばかりでしょうから。
関係性が一切ないズブの新人が来たら出し抜かれないはずがありません。
関係性は引き継ぎできないので、20年続いていた仕事を簡単に逸注してしまうような大チョンボを新人がしてしまうのです。
長くなりましたが、ただ専門商社に入るなっていっても毎年入社する人はいますし、もしも新卒で専門商社に入ってしまったらどう生き抜びられるか、その方法を紹介していきます。
大手クライアントを引き継がない
シンプルにすぐできるのが、大手クライアントを引き継がないことです。
↑で申した通り、上位売り上げのクライアントでほど関係性の影響を受けやすいです。
競合の会社、どこも売り上げを作るために大手を狙いますからね。
それならば、そもそも大手のクライアントを引き受けないスタンスでいくのも手ではあります。
自分の売り上げ数字を作る軸になる大手クライアントがないと、それもそれでしんどいのですが、それはまた別の時に書きたいと思います。
社内の盛り上げ役に徹する
これは仕事じゃありませんけど、会社の中でのポジション作りです。
仕事ができないけど、アイツがいると楽しいから必要とされる給料泥棒です。
関係性を重視する商社だからこそ、仕事できないけどなんでかずっといて、担当役員、部長など誰からも批難されないポジションのおじさん、部署に1人くらいはいます。
昔は炭鉱の仕事でスカブラと呼ばれた人がいるそうです。
名前の由来は「仕事が好かんでブラブラ」
笑わせ役の例として挙げられたのが、九州の炭鉱会社で働いていた「スカブラ」と言われる人の存在だ。彼らは同僚たちと炭鉱に降りても、石炭を掘らずに「エッチな話やおもしろい話をしたり、みんなにお茶を出したりしている」。
会社がスカブラをリストラすると、炭鉱労働者たちの作業能率が下がり、人間関係もギスギスしていったという。つまり、非常時の現在でも、自衛隊や警察、消防と同じように、多くの人を笑顔にする「お笑い芸人さん」が求められているということだ。
こういうスカブラといわれるような人も必要なんだと思います。
よくわからないけど必要されるポジションがある人ってそこそこ仕事ができるよりも難しいですからね。
ある意味、一番高難易度な生き残り方でもありますが、給料泥棒ポジションにつくのも手ではあります。
語学堪能になる
中国語がしゃべれるから、中国案件はコイツ。と言われるわかりやすい語学ポジションどりするのもいいです。
語学というのはわかりやすいスキルなんで重宝されます。
歴代担当者が手をこまねいたクセの強い大手クライアント業以外の仕事に就かされることなく、中国語を使う仕入先、クライアント中心になるんで自分の世界を作りやすいです。
上のおっちゃんらで語学得意な人ってあんまりいません。
仕事がいまみっつぐらいでも英語や中国語が話せるだけで仕事ができる雰囲気を出せるのもいいですし、転職するときに語学できるのは強いですからね。
そういう僕は語学、まったくできませんのでちょっとうらやましくもあります。
営業以外の仕事につく
研修を受けて、あ、ここの営業ヤバイ。
そう気付くのに1ヶ月かかりません。むしろ、1日でわかります。
配属前に営業以外の仕事、経理とか事務とかなんでもいいですけどそちらに配置してもらえないか総務、人事に伝えましょう。
商社に来て、営業希望じゃないのはなんやねんと会社はなりますけど、ここでは絶対にやっていけないと思う人いると思うんですよ。
体育会系だったり、詰めるカルチャーがあるとか、理由は様々ですけど専門商社の花形は営業なんで、そこから離れるとその風土ってだいぶ薄れます。
最後に
出世しようとしてはいけません。
スペックが高い。頭がいいとか、早稲田の体育会系で頑張っていましたという人は別です。
普通の人、とりたてて能力がないならまずは生き残ることを考えた方がいいです。
広告代理店や商社に入るタイプの人って、クラスの人気者だった人、部活めちゃくちゃ頑張った人が一定数いるんで、その中で輝ける人はそんなに多くないと思います。
特に僕みたいなニートだとガチガチの体育会系組織で洗礼を受けてやめていくパターンが多いです。
もしも、まかり間違って、明るくなくて、元気がなくて、むしろ、暗くて人に好かれないような人が専門商社に入ってしまったら、正道ではないけどそれでもなんとか生き残りましょう。がんばりましょう。