「100日後に死ぬワニ」
100日目 pic.twitter.com/r0Idn9I7mR— きくちゆうき (@yuukikikuchi) March 20, 2020
100日後に死ぬワニが電通のプロモーションが入っているのでは?という件が話題となっています。
ちょうど、彼女と誕生日ディナーを食べている最中にその話になって、熱くワニのことを語りすぎて誕生日そっちのけになってすいませんでした。
100日目が公開された直後に下記が発表となり、読み手は悲しみと同時に複雑な感情になり、twitter上で炎上しています。
死んだワニとのコラボレーション
- 書籍化
- 映画化
- いきものがかりとのコラボ映像
などなど、他もあるのかもしれません。死んで間も無く情報量が多すぎて、びっくりした人も少なくありません。
良い作品にお金が落ちることに不満な人は少ないと思います。すばらしいモノを読ませてもらって読み手は感動し、作者がお金を手にする、良いことだと僕は思います。
企業によって事前にムーブメントになるように仕込まれていて、それにまんまと乗せられるのは不快感がありました。
作者1人ではできない後ろにそろばん弾いている頭のいい大人がいる匂いがしたのはいうまでもありません。
今回はそんな100日後に死ぬワニ(没後)がなんで炎上したのか、電通案件なのかというのを詳しく紹介していきます。
死の余韻なく、コラボの発表
死を扱っているセンシティブな題材だったからこそ、100日目を見て、読み手のさまざまな考察が生まれました。
100日間にあったことをところどころ読み返しながら、余韻に浸るような読み方をしていた人もいると思います。僕もそうでした。
100日目、すぐに書籍化、いきものがかりとのコラボ、大手店舗とのPOP UP SHOPなど、ハローティー並みのコラボに、それは今、知りたくないという感情になったに違いありません。
加えて、電通というのがよくなかったです。
過去、過労死事件を起こした電通が死をテーマにした作品でお金儲けをしているという、火に油を注ぐ結果に。
100日以内に全部仕込めたのか
100日よりもさらに前に、電通の会議室でこういう企画がありまして、バズらせて、しっかり巻き取りましょう。みたいな推測は簡単にできてしまいます。
100日で漫画を描きながら、多展開のコラボが作者1人でできるわけなく、裏に電通のバックアップがあったんじゃないかと疑いの目を向けるのも無理はないと思います。
下記で電通案件か、さらに深掘りしていきます。
電通案件なのか?
途中までだけど、ワニ炎上の釈明会見(?)まとめ
・電通は絡んでない
・いきものがかりがコンタクトをとったのは2月
・YouTube動画だけ電通に頼んだ
・ベイシカ社(各種プロデュース)はできたばかりのベンチャーで関わりは1月から
・歌や販売もろもろは作品への熱量で100日目に間に合わせた pic.twitter.com/GvWAkefCOE— 黒猫ドラネコ (@kurodoraneko15) March 21, 2020
twitterライブで電通が絡んでいるのはYoutube動画のみとのことです。
電通が絡んでいないとしても僕が引っかかったのはPOP UP SHOPの物販です。
販売されている透明樹脂のキーホルダーですが、アクリル板をレーザーカット、UV印刷をかけた製品をそれなりの数量を梱包までとなると納期がかかります。1個、2個作るんならデータ入稿すれば即作ってくれる業者はあります。
販売されているキーホルダーは中国製とのことです。
春節から中国の工場が稼働していないことから逆算するとプロデュースをしているベイシカ社と1月に付き合いがはじまり、即発注(ありえるのか?)したとすると、コロナ騒動で工場が止まる春節前の2月上旬に完成品キーホルダーが入ってきたとすると、長く見ても30日程度しか時間がありません。
仮にAirで中国から飛ばして通関にかかる時間を別にすると、レーザーカット、UV印刷、梱包の実働日数15〜20日程度、しかも休みなしでフル稼働しての計算です。熱量でどうにかなる納期なのか疑問を感じました。
このプロデュースしているベイシカ社自体が、キーホルダーを自社で加工・印刷しているなら無理くり納期を間に合わせることもできるのかもしれません。そのくらいの短納期だと思います。
作品が発表される前から企業か個人かのバックアップがあって、始めたのではないかと推測されるのも仕方ない気がします。
ここまでめんどくさい感じになっているなら、熱量という言葉で納得しない人も多いだろうし、どういう打ち合わせ、発注をしたのか晒せるエビデンスのメールを見せた方が手っ取り早いかと思いますが、どうでしょうか。
マネタイズは悪ではない
良い作品にお金は落ちるべきだと思います。
僕自身、100日後に死ぬワニを毎日楽しみにしていましたし、最後にかけての盛り上がりでドキドキしながら100日目の漫画を読ませてもらいました。
金儲け=悪、とりわけ、漫画やイラストは単価が安く叩かれるのでそれで食べていけるのは賛成です。
本当に、出し方ですよね。
扱っているのがポップな感じの作品なら炎上しなかったでしょうし、「死」という重いテーマが終わった直後、葬ってもいないのに、亡くなった当人の遺品をメルカリで売られているみたいな、気持ちの悪さが僕の中には残りました。
今回の各種コラボはそれの出し方がめちゃくちゃ悪かったせいで、作品を無視して炎上してしまい、死んだワニも死に損という意味で悲しみがやってきました。
金の匂いがすると群がってくる大人たち
POP UP SHOP渋谷ロフトは開店前から行列ができるくらいの人気だったわけで商業としては成功するかもしれません。
書籍もメディアで推されれば売れるでしょうし、映画も話題になるんだと思います。
しかし、100日目に死ぬワニという作品が正当に評価されないようなことは不本意だと思います。
作品じゃなくて、作品以外の部分でミソがつくのはもったいなさすぎます。
これだけネット上で話題になって、金の匂いに敏感な大人たちが著者さんに寄ってくるのは安易に想像がつきますが、やるんならもっとうまくやってほしいと思います。
嘘をつくのはいいことはありませんが、せめて、読み手のためにつく優しい嘘でうまく騙してほしいです。
最後に
著者のきくちゆうきさんがtwitterライブで涙を流していましたが、出し方だけでここまで炎上をして、作品の評価自体が下がるのはもったいないですね。
書籍のAmazonレビューは荒れるでしょうし、100日後に死んだワニと聞くと事実ではなくとも電通案件の・・・という印象がついてしまいました。
今後、100日後に死ぬワニの書籍化・映画化がどうなるのか続報があればまた紹介したいと思います。