高配当株式への投資そのものが、スタンダードな手法とは言えない。
これが前提としてあります。
米国高配当株式がスタンダードでない理由
- セクターに偏りがあり、分散が弱い
- 暴落時に指標で動くファンドより弱い
- 利回りが年々大きく変わる
中長期投資の優等生であるS&P500と連動しているインデックスファンドと米国高配当株ETFを同じ土俵の中で考えるべきではありません。
高配当米国株ETFをうまく買えば、リスクを取りすぎず、配当もそれなりにもらえるバランスのいいポートフォリオの作り方を紹介します。
分散が弱く、株価下落時にリスクが高い高配当株ETF
米国高配当株ETFはセクターに偏りがあり、分散が弱いです。
それはS&P500や日経225のようなインデックスファンドと比べて分散が弱いだけであって、分散自体はされています。なので、(インデックスファンドと比べて)分散は弱いという表現をしました。
そのため、個別株と比べると米国高配当高配当株式はリスクが低いとも言えるのです。
○分散によるリスク度合い
個別株>>>>>高配当ETF>>S&P500インデックスファンド
メインはS&P500やオールカントリーにすべき
と目が燃え上がっている人をtwitter上で見ます。
年利5%の高配当株を1億円買えば年間500万円配当収入があります。(税引前)
これだけあれば、1人だったら生きていくのに困らない収入といえます。
5000万円だとしても250万円、これでも切り詰めれば生きていけます。
しかし、配当利回りが2%ならば、その株を5000万円で購入しても年間100万円の収入しかなりません。
100万円も大きいかもしれませんが、ひと1人が生活するにはちょっと心もとないですよね。
高配当個別株、ETFを買い続けてキャッシュフローを増やすのが経済的自由、アガリへの近道に思えてしまいますが果たしてそうでしょうか。
このグラフを見てください。
青がVOO(S&P500)、オレンジがSPYD(米国高配当ETF)です。
急落しているところが、2020年3月頃のコロナショックです。
SPYDは急落する落差と上昇していくのが2020年10月とVOOよりもかなり停滞としていたと見えます。
暴落に弱く、上昇する力がインデックスよりも頼りないのがわかります。
まずは中長期投資の優等生であるS&P500やオールカントリーを買うのがリスク・リターンを考えるとセオリーと言えます。
よって、メインのお金は指標に連動するファンドで運用するのがいいと思います。
米国高配当株式ETFやS&P500に連動するETFを外貨建てで自動積み立てできるのはSBI証券のみ。
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暴落したときこそ、米国高配当株式ETFの買い場
それは暴落したときです。
底値を読むのは不可能ですが、株価全体が急落したときにこそ仕込むべきです。
株価が高値圏で上昇相場の時だと、S&P500ですと平均年利6%以上上昇することも見込めることを考えるとわざわざ大幅下落のリスクを追ってまで、配当が5%前後の米国高配当株式ETFを買う必要はないのです。
安値のときにしっかり仕込んでおいて高くなったらホールドしたままにするくらいでちょうどいいのです。
リブロースステーキはS&P500、米国高配当株式はつけあわせのマッシュポテトです。
マッシュポテトを食べるためにステーキハウスに入りませんが、景気が落ちて、空腹になれば安いマッシュポテトでお腹を満たそうと思うのです。
いいリブロースが食べられるんならマッシュポテトにこだわらないでいいですからね。
米国高配当株式ETFの比率は20%で十分
メインはS&P500やオールカントリーなどのインデックスで十分、では米国高配当株式ETFはどれくらいの比率で持つべきか。
20%以下にすべき
定期的に入ってくる配当金は、精神的な安定・安心を生みます。
毎年50万円配当金があれば、月に4万円のお金が入ってくるのです。
S&P500を買い続けたほうが、資産は上昇する可能性が高いです。
感情的には配当がほしい気持ちとバランスを取るために、米国高配当株式ETFは資産の20%までと決めるのがいいと思います。
株式、債権、金、仮想通貨、現金など、様々な資産を組み合わせたポートフォリオで20%も占める米国高配当株式ETはそれなりに大きな割合の資産です。
むしろ、冷静にポートフォリオを眺めると20%となると多すぎると感じるかもしれません。
資産が2000万円ならば400万円が米国高配当株式ETFとすれば、年間20万円程度が配当として入ってきます。
月に換算すると1万円そこそこ入金を大きいか小さいかは感じ方にもよりますが、決して小さい金額でもないと個人的には思います。
もっともっと配当を増やしたいと思うかもしれません。しかし、S&P500やオールカントリーの比重を高めたほうが資産が増える可能性が高いこと、下落時のリスクが米国高配当株式ETFよりも低いことを理解していれば、全力で高配当株式に入金する必要はないのです。
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今積み立て設定すれば、5年後10年後、それ以降先の将来に大きな資産を作りことができます!
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最後に
まとめ
- 米国高配当株式ETFはポートフォリオ20%以内に
- ポートフォリオのメインはS&P500やオールカントリー
- 米国高配当株式ETFのリスクを再認識すべき
米国高配当株式ETFでキャッシュフローを上げてアガリを目指していた人にとっては冷水を浴びせる内容ですが、決して王道の投資ではないのです。
年収350万円の会社員が年間50万円もの余剰金を全力で高配当株式に買うようなことはリスクに対するリターンから考えるとあまりオススメできません。
しかし、月に200万円以上の入金力があるなど、圧倒的な資金力が背景にあるような特殊な事情だとまた変わってきますが、普通の年収の会社員には手に余る投資だと思います。
繰り返します。まずはスタンダードなS&P500やオールカントリーから入って、それでも高配当狙いなら、それはそれでよし。まずは基本に忠実に。年利6%平均で将来のお金を蓄えるのがいいでしょう。